デザインという大切な財産とともに、お客さまの安心を守りたい

デザインという大切な財産とともに、
お客さまの安心を守りたい

デザインという大切な財産とともに、お客さまの安心を守りたい

知的財産 駒﨑 久美子

障がい種別:
聴覚障がい
*補聴器を使用しているが、音を感じられる程度で内容は判別できない。
普段は口話、筆談、手話を使用。
2005年
新卒入社
2008年
知的財産部門に異動し、意匠業務を担当
2020年
社内複業制度を利用し、採用部での仕事を兼務

※所属・内容等は取材当時(2020年12月)のものです

学生時代の経験について教えてください。

2つ活動をしており、1つは大学での手話サークル活動。もう1つは、全日本ろう学生懇談会という、聴覚障害のある学生の団体活動です。
高校までは、聞こえないことで、どことなく引け目を感じており、遠慮しがちで、自分の意見を言うことが得意ではありませんでした。しかし、大学で、手話サークルに入ったことで、障がいのない方とも同等に手話で話せることの楽しさを感じ、聞こえない同年代の仲間と意見交換する、企画を立てるといった経験を積むうちに、聞こえなくてもやればできるという自信を持つことができました。

 

デザインという大切な財産とともに、お客さまの安心を守りたい

現在の仕事内容について教えてください。

パナソニックグループの知的財産を守る

私の仕事は、パナソニックグループの多様なプロダクトデザインを守るために、意匠権の取得や保護、模倣対策などを行うことです。パナソニックグループ全体の知的財産を扱いますが、私は主に電動アシスト自転車に関する知財業務を担当しています。自転車が趣味なので、最初に担当を任された時は本当に嬉しかったですね。電動アシスト自転車のコアとなる技術を他社に侵害されないよう、また私たちも侵害しないように、日々他社の意匠権調査や他社の商品情報の収集に努め、パナソニックグループの技術を守っています。

※意匠権:製品や建築物などのデザインを保護し、模倣を防ぐための知的財産権

仕事のやりがいについて教えてください。

未来のデザインやモノづくりに関わる知財の仕事

知的財産の仕事は、パナソニックブランドの信頼を支えるだけでなく、未来のデザインやモノづくりそのものにも関わっています。お客さまに安心して購入していただける製品を送り出すために、法の専門家として携わり貢献できることがやりがいです。
自分たちの製品が生活スタイルを変え、やがて社会にまで変えていくかもしれない。そう考えると、毎日ワクワクしながら仕事に向き合えます。

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知財の仕事に加えて、社内複業で取り組んだ内容について教えてください。

社内複業で広げる可能性

私は知財部門に所属しながら、「社内複業」制度を利用して採用部門でも働いた経験があります。採用部門では、採用活動に加え、障がいがあっても働きやすい環境づくりに取り組みました。障がいのある当事者として、障がいのある社員の声や要望をいち早く社内に伝え、その理解を広げることは私の使命だと思っています。障がいのある社員の先輩として学生との個別相談にも関わり、ネットワーキングの事務局メンバーとしても活動を行いました。

障がいのある方の受け入れ体制ついて教えてください。

安心できる環境で、仕事の幅を広げることができる

私が所属する知的財産部門では、必要に応じて可能な範囲で配慮をいただいています。例えば、社内説明会やセミナーで手話通訳が必要な場合は手配していただけますし、UDトークの導入もいち早く対応してくださり、課内・部内会議や出張先でも活用しています。
こうした環境があることで、より安心して業務に取り組むことができ、仕事の幅も広がっていると感じています。

※UDトーク:音声認識と自動翻訳などのコミュニケーション支援アプリ

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PEXではたらく魅力について教えてください。

知財について全く知識がありませんでしたが、丁寧な指導と周囲の方の支えがあり、高度な専門知識が必要な部署で長年働いてきました。今では、養ってきた力と人脈で、仕事を任せてもらえる、やりたいことを後押ししていただけるようになり、やりがいを感じています。また、障がいのある社員のネットワークで、当時の経営トップの方とオンラインで懇談会を実施したことは、私の会社歴で一番嬉しかったことです。経営トップに障がいのある社員の声を直に聴いていただき、障がいのある社員が働きがいを持てる会社を目指そうという意識が会社全体でより高まったと思います。

今後挑戦してみたいことを教えてください。

培った知恵と経験を活かし、これまでにない価値を届けたい

私の仕事は、技術の変化やデザインの流行、模倣品の動向に常にアンテナを張り巡らせながら、パナソニックグループのモノづくりを守ることです。今後は開発やデザイン職種の方とも密に連携し、さらに信頼されるプロフェッショナルになりたいと考えています。そしていつか、ユニバーサルデザインの製品開発に関わりたいです。障がいのある社員のネットワーキングを活用し、その知恵が詰め込まれた製品は、これまでにない価値を持つはずです。そんな製品を「私たちがつくった」と胸を張って紹介することが夢です。

趣味・休日の過ごし方

サイクリングとグルメめぐりが趣味ですが、ここ数年は近畿圏で自転車競技の審判をしています。2025年11月に開催される、東京2025でデフリンピック(聴覚障がい者のオリンピック)で自転車競技の審判をすることになりました。デフリンピックで審判をすることが夢だったので、実現することに胸を躍らせています。
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